- Q:歯の構造は?
- 表層のエナメル質,歯の根っこの表面を覆っているセメント質,それらの内側の象牙質で出来ています。
- Q:エナメル質とは?
- 口の中に見えるのは,ほとんどエナメル質の部分です。人体の中で一番硬い組織といわれています。その構成は95%の無機質と無機質をつなぎ合わせる有機物から出来ています。
- Q:歯は溶けるのですか?
- 歯の主成分はアパタイトです。アパタイトの性質の一つは酸に溶けるということです。ミクロの世界では,食事をすると食物の中に入っている酸により、歯の表面でアパタイトがとけて1つの穴ができます。1つの結晶の穴が百万、一千万単位になると虫歯になります。通常は唾液の中にあるカルシウムイオンや、リン酸イオンからリン酸カルシウムが析出されてすぐに欠損部分を埋めてしまいます。歯の表面ではこのような代謝がつねに行われています。これを脱灰と再石灰化といいます。
- Q:歯の萌出について教えてください。
- 生後6~7ヶ月から生え始め,2~3年で生えそろいます。上下合わせて20本が生え、これを乳歯といいます。6歳前後に乳歯の奥に最初の永久歯である第一大臼歯が生えてきます。6才から11才くらいにかけて徐々に乳歯と永久歯が生え替わり、12才頃第1大臼歯の奥に第2大臼歯が生えてきます。乳歯がすべて永久歯に生え替わり第2大臼歯が生えると一応完全に生えそろった状態ということになります。更に18才頃になると第3大臼歯が生えてくる場合もありますがこの歯に関しては生える時期、生え方がまちまちです。(生えてこない場合もあります)
- Q:歯の種類について教えてください。
- <永久歯(歯の本数は28本)>
- ・ 永久歯切歯、いわゆる前歯が2本ずつ上下左右合わせて8本。
- ・ 犬歯、いわゆる糸切り歯(顔の真ん中から数えて3番目の歯)が上下左右合わせて4本。
- ・ 小臼歯(臼の形をしています)が上下左右合わせて8本。食物をかみ砕く役割を果たします。
- ・ 大臼歯(小臼歯より大きな臼の形をしています)が上下左右合わせて8本。食物をかみ砕く役割を小臼歯と共に果たします。
- ・ 28本の永久歯の他に親知らず1~4本が加わる場合があります。
- <乳歯(歯の本数は20本)>
- 乳歯でも同様ですが奥歯に関しては乳臼歯と一括して呼びます。乳臼歯は第1小臼歯、第2小臼歯に生え替わります。乳前歯2本ずつ上下左右合わせて8本。乳犬歯上下左右合わせて4本。乳臼歯上下左右合わせて8本。
- Q:生まれた時にすでに歯が生えていましたがどういうことでしょうか?
- 先天性歯といって下の乳前歯に多く見られます。歯質は薄く根がうまくできていないために抜けやすい歯です。脱落又は抜歯後に正常な乳歯が生える場合と生えない場合があります。原因としては遺伝や内分泌線機能亢進などが考えられ、脱落歯牙の誤引事故、授乳時の乳頭損傷やリガーフェーデ病の原因となります。
- Q:癒合歯とはどういうものですか?
- 本来2本に分かれるはずの歯が発生の時点でうまく分離せず発育し、2本がくっついてしまったものです。乳歯と永久歯に見られる現象です。歯はあごの骨の中で成長しできてきますが、その過程で複数の歯の芽が結合し発育してしまった物です。癒合歯の発現頻度は永久歯に比べて乳歯に多く見られ、乳歯では2~3%、永久歯では0.3%とまれです。発現部位は圧倒的に前歯部、特に下顎に多く、下顎乳中切歯と乳側切歯、乳側切歯と乳犬歯の癒合が多く見られます。
- Q:歯の数が足りないようですが(多いようですが)?
- 先天的に不足があったり過剰に生えたりすることがあります。不足になるのは上の側切歯(真ん中から2番目)、下の第2小臼歯(真ん中から5番目)の場合が多く見られます。乳歯列ではあまり見られません。多く生えることがあるのは不足の場合と同じく永久歯列の場合がほとんどです。上の切歯の更に上側でなおかつ、骨の中に埋まって生えてこない歯や親知らずの周囲に多く見られます。
- Q:唾液の働きは?
- ・消化作用…アミラーゼによって澱粉を加水分解しグルコースとマルトースを作ります。
- ・潤滑作用…口腔粘膜の表面を湿らせて咀嚼、嚥下、発音などをしやすくします。
- ・保護作用…歯の硬組織や粘膜を保護します。
- ・緩衝作用…酸やアルカリを加えても水素イオン濃度の変化を最小限にくいとめます。
- ・清掃作用…唾液の流れによって機械的に口腔内をきれいにします。
- ・抗菌作用…唾液中のリゾチームなどが細菌の発育を妨げます。
- ・抗溶解作用…唾液のphが高いことにより歯の溶解を妨げます。
- ・触媒作用…食物中の味物質を溶解し味覚が発生するのを助けます。
- Q:唾液はどこから出るのですか?
- 唾液は唾液腺という組織で作られます。さらさらした唾液を作る組織と、ねばねばした唾液を作る組織の二種類の組織があります。大きな唾液腺には耳下腺、舌下腺、顎下腺があり、小さな唾液腺には口蓋腺、口唇腺、前舌腺、舌口蓋腺、後舌粘液腺、後舌漿液腺などがあります。
- Q: むし歯の原因について教えてください。
- 健康な人の口の中でも多くの細菌が存在します。歯に集まる細菌の集落をデンタルプラーク(歯垢)と呼びます。これらの細菌で虫歯に関連のある代表的なものとしてミュータンス連鎖球菌・放線菌・乳酸桿菌などがあげられます。特にミュータンス連鎖球菌は歯への強い付着生能や酸産生能を有することから初期虫歯の原因菌とされています。このような細菌が歯質の状態、唾液量と性状、細菌の好みの食べ物や時間的要因などと関係して虫歯が発生します。
- Q: むし歯の進行はどのようなものですか?
- C0・・・フッ素やシ-ラントで治すことができます。
- C1・・歯の表面(エナメル質)にむし歯による小さな穴ができます。
- C2・・象牙質までむし歯の穴が進行している。冷たい水が口に入るとしみることがあります。
- C3・・神経(歯髄)まで達しているため、ズキズキしたり激しい痛みを感じます。
- C4・・歯根部まで達して根っこだけが残った状態です。
- Q: むし歯の予防について教えてください。
- ・歯に付着した細菌の数を減らす→プラークコントロール(歯磨き)
- ・歯の抵抗性を高める→フッ化物の応用、キシリトール100%ガムの使用
- ・細菌の活動しない状態の維持→虫歯を起こしにくい食品の選択と停滞時間の短縮
- ・定期的な歯科医院でのバイオフィルムの除去
- Q: 歯周病について教えてください。
- 歯周病は歯の表面につくプラーク(歯垢)によっておこる文字通り,「歯の周りの病気」です。歯肉の炎症による出血、腫れを特徴とする歯肉炎と、歯を支えている歯槽骨が破壊される歯周炎に分けられます。世間一般で言われている歯槽膿漏は、成人性歯周炎をいいますが歯周病には、その症状、病態によっていろいろな種類があります。
- ・歯肉炎…歯肉片縁に付着したプラークにより歯肉に炎症が起こった状態です。歯肉炎は初期治療で治癒しますが,放置すると歯周炎に発展してしまいます。歯肉炎にも普通の歯肉炎,妊娠中に発生する妊娠性歯肉炎,高血圧治療薬,てんかん治療薬を服用している人に見られる薬物性の歯肉炎などさまざまなタイプが認められます。
- ・成人性歯周炎…もっとも多いタイプの歯周炎で30代から始まり比較的ゆっくりと進行します。初期にはほとんど症状がなくブラッシング時の歯肉出血がある程度ですが、進行するにしたがって歯肉が腫れ、膿が出たり、歯がぐらついて抜けてしまうことがあります。早期発見が大事で、適切な治療により回復します。慢性辺縁性歯周炎とも言います。
- ・若年性歯周炎…全身的には健康な10代から20代前半の若年者におこる歯周炎です。原因としては遺伝的問題や免疫機能、特に白血球機能低下と特殊な細菌による感染が考えられます。
- ・急速進行性歯周炎… 20代前半から30代半ばにおこる歯周炎で、歯周組織の破壊が急激で症状が急速に進行します。
- ・難治性歯周炎…あらゆる歯周治療を徹底的に行っても改善がみられず、再発してしまいなかなか治療効果が得られない歯周炎です。症例数としてはそんなに多くありません。
- Q: 歯周病の主な治療法を教えてください。
- 歯周病の実態をつかみ,原因を明確にした上で除去していく原因除去療法が基本です。
- ・プラークコントロール…歯ブラシによりお口の衛生状態を良好に保っていただく事です。
- ・スケーリング…歯に付着した歯石を取り除く事です。
- ・スケーリング…ルートプレーニング…歯の根っこの方に付着した歯石を、局所麻酔などを使って取り除く事です。
- ・歯周外科手術…これまでの治療で治りきらなかった部位に対し行います。悪いところを直接目で見て徹底的に取り除くものです。歯周外科手術はこの他にもさまざまな術式があり,症状に応じて使い分けられます。
- ・メインテナンス…歯周病は治療が終わってからが肝心です。せっかく健康を取り戻したのですから,この状態を維持していくことが大切です。毎日のブラッシング,規則正しい生活,歯科医院による定期検診が必要です。お口の健康をいつまでも保ちましょう。
- Q: 電動歯ブラシと手用歯ブラシはどちらがいいですか?
- 最近、多くのメーカーからさまざまなタイプの電動歯ブラシが出ています。実際,このような質問はよく患者さんから受ける事があります。手用歯ブラシでも正しく使えばプラークコントロールは十分可能です。手用歯ブラシでしっかり磨ける人が楽をするために電動歯ブラシを使うのであれば問題は無いと思います。しかし「私は手用歯ブラシで磨くのがへただから電動歯ブラシにしたら磨けるようになるだろう。」というお考えはしないで下さい。これは自転車に乗れない人が「オートバイなら乗れそう!」と言っているのと基本的に同じです。もちろん電動歯ブラシにも利点はたくさんあります。例えば高齢者や身障者等で手が自由に動きにくいという方にはかなり有効です。
- Q: 歯のけがやお口のけがはどんな場合に多いのでしょうか?
- ・よちよち歩き→突き刺す・ぶつける
- 可愛いさかりですが、歩行が不安定で転倒しやすく加えてまわりにあるものを口に入れたがる時期です。この時期は大人の気遣いが必要です。
- ・幼児期から学童期→転ぶ・落ちる
- 幼稚園から小学校低学年、友達も増えてハラハラするようなブランコ遊びやジャングルジム、滑り台での鬼ごっこが楽しそうです。夢中で遊んでいて高いところから落ちたり、友達同士のふざけっこで前歯を折ったり、唇を切ったりという事故は多くの子供が経験するようです。歯のけがは10歳未満に多く,原因は転倒や転落が大半を占めます。
- ・小学校高学年→転倒・交通事故
- この年齢になると行動範囲も広がって、足のとどかないような自転車に乗ったり、スピ-ドを競ったり、誤って転倒したり、急に飛び出しての事故が起こったときのけがの程度が大きくなります。
- ・中学生から高校生→スポーツ
- 体育の授業やクラブ活動も体力の充実と共に、力強さ、激しさが増してきます。相手と接触しやすいスポ-ツでは、お口のけが、歯のけがをしてしまうこともあります。
- Q: 歯が抜けた,折れた,欠けたときは?
- 転んだり、落ちた拍子に歯の一部分が欠けたり、折れたり、グラグラになったり、そっくり抜けてしまったりすることがあります。子供の場合、歯を支える骨がまだやわらかいので、ぶつけた拍子にポロッっと歯全体が抜けてしまうことも多いのです。こんな場面に遭遇したら、大急ぎで折れた歯、抜けた歯を捜して一刻も早く歯科医院に持ってきて下さい。スパッと折れた歯はそのままつなぐことができますし、抜けた歯ももう一度生かせるチャンスがあるからです。そして抜けた歯は牛乳などにつけて乾燥させないように心がけてください。
Q&Aの最終更新日 : 2010-08-10
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